胃腸がしっかりしているのに口から食べられない。実際には、脳神経疾患で嚥下困難のため経鼻胃管を使用してきており、病状が安定してきたので胃瘻に変更される場合、中心静脈栄養を行っていたが、経管栄養に切り替えたい場合などがあります。
ご本人の経鼻胃管による苦痛を取り除くのが一番の目標です。
病状が安定している。消化管(腹部)に異常がない。血液検査に異常がない。内視鏡が可能。内服中のお薬、開腹手術の既往によっては、よく検討させていただきます。
安全の為に内視鏡、レントゲン透視を使用して局所麻酔下に行います。内視鏡の苦痛が少ないように少し眠くなる注射も併用します。所要時間は、器材のセッティングに30分、内視鏡を挿入してから15分、合計45分程度です。
感染予防の抗生剤を点滴します。内視鏡を挿入し、食道、胃に問題がないことを確認します。空気を送り込んで胃をふくらまします。
透視で胃の位置を確認します。
胃体上部の胃がふくらんでいてもしぼんでいてもおなかの壁と接している場所が理想的な場所です。
胃に針を刺して、ワイヤーを通し、そのワイヤーを口から出して胃瘻チューブにくくりつけ、チューブを胃の中に引き込みストッパーを取り付けて完成です。
再度内視鏡を挿入し胃瘻の状態、出血のないことを確認して完成です。
止血の為と、胃壁と腹壁を密着させる為のストッパーを翌日、翌々日に回診でゆるめていきます。ストッパーがきついと瘻孔周囲の壊死を起こし、栄養剤の漏れや瘻孔周囲の感染を引き起こしてしまいます。内服薬、少量の水分は当日から使用可能です。
翌々日から白湯。その翌日から経管栄養を開始します。約1週間で濃度と量を増やしていきます。
胃腸をしばらく使ってなかった場合は、ゆっくりとならしていきます。挿入部の消毒は約1週間で不要になりますが、清拭などして常に清潔に保ちましょう。2週間で瘻孔は完成しますので、入浴も可能で挿入部にガーゼをあてなくても良くなります。
残念ながらシリコン性のチューブは次第に痛んでしまいますので、4-6ヶ月後に交換致します。
第1回目の交換は内視鏡下にレントゲン透視を併用してバルーン型、ボタン型(チューブをはずして洗えるタイプ)のものに交換します。その後は1―3ヶ月ごとにレントゲン透視下に交換します。少なくとも第1回目の交換は、安全のため入院での交換をおすすめ致します。
胃瘻によって胃食道逆流による誤嚥がなくなるわけではありません。慣れてきても、投与速度や一定時間坐位を保つことを忘れないようにして下さい。
重篤な合併症→全国平均で %。内視鏡の刺激による嘔吐、誤嚥。喉頭痙攣。肝臓、結腸の誤穿刺。穿刺部位からの出血。軽度の合併症 瘻孔周囲炎 全国の報告で %。
誤挿入:胃壁と腹壁の間に胃瘻が入ってしまう。
医療関係者の皆さまを対象に、当病院の受け入れ可能な状況をお知らせしております。
一般の方の閲覧はご遠慮いただいておりますので、ご了承ください。
あなたは医療関係者ですか?