採血健診

王子病院の採血健診

━その理解と実践━

採血健診
は、
  王子病院で開発された新しい健診です。この採血健診は十数年前に開発され、改善され、又新しい時代の進歩に伴う項目を加え、世の評価を得、既に20数万名の方が受診し、多くの方から限りない感謝の意を頂いてきました。 この採血健診はそれぞれの年齢や必要に応じて六種類のコースとオプションよりなっていますが、いずれにしても安全、安価、簡便で予約も要らず、病院へ来院される方達は365日24時間受けられる健診です。  従来の健診は、X線、心電図、エコー、内視鏡、CT、MRIなど所謂医療機器に頼る健診で、高価であり、予約も時間もかかるもので診断の為の健診です。当院の勧める採血健診は今日著しい進歩をしている化学分析技術に基づく血液化学健診で、従来ミリグラム単位しか分析出来なかった血液の異常をナノグラム単位まで分析、評価する健診で健康のgate keeper(番人)であります。
 X線は陰影であり、CTもMRIも数センチの間隔で疾病を検索するものですが、採血健診は体の隅々から血液によって運ばれる体の異常な情報に係わる物質の精密分析を行い、疾病を察知しようとするものです。

従来の多くの健診は、  
  健診が行われた時の体の状態を知るための検査で、心電図を測定した翌日に心筋梗塞を起こした様な例は数多く経験されていますし、癌についても毎年健診を受けながら発見されたときは既に手遅れであったという例も枚挙に暇がありません。検査に伴うX線障害も諸外国で指摘されています。  
   王子病院で厳選された検査項目は瞬間のデータでなく、この健診を受けられた方の数カ月から数年の健康を担保しうると共に十分の時間的余裕をもって想定される疾病に備え、又対応しうる言わば期間健診を目指しています。

ペプシノーゲン検査は、  
  現在の胃の状態から直近又は将来の胃癌の発生の可能性のある胃の状態なのか、それとも胃潰瘍の出来る可能性はあるとしても胃癌発生の可能性はほとんどないのかを知る検査であります。ピロリ菌検査と併せると更に有効です。

Pro-BNP検査は、  
  自覚症はなくとも高度の疲労やストレス、不整脈で心不全となり、血栓症から梗塞を招来する可能性の有無を検査します。CPK-MBは心電図検査と同じで心筋の異常を電気信号としてとらえるか、化学的変化としてとらえるかの違いです。

糖尿病について  
  今日は空腹時血糖値よりHbA1cを用いて食事で左右されることのない2〜3ヶ月の血糖の状態を知り、適切な判断することが出来ます。

について
  国際癌研究機関(IARC)によると2008年の先進国の新規癌患者は560万人で死亡者数は280万人と推計されています。肺癌や乳癌、大腸癌などはライフスタイルの変化により2030年には癌患者、死亡者共に倍増すると予測されています。先進国に最も多く発生した上位3位の癌は男性では前立腺癌、肺癌、大腸癌で、女性では乳癌、大腸癌、肺癌でした。これらの癌発症は喫煙、飲酒や食生活と密接な関係があり、生活習慣病も癌発症と無関係ではありません。  
 又日本が他の先進国と際立って異なるのは100人の癌患者のうち3.2名が医療上の被爆(年間被爆量は諸外国と比べて約4倍弱)によるものでみだりに健診の名の下で胸部X線撮影やCTなどを行うことの危険性は原発災害の報道を見ても明らかです。 放射線による検査は線量を調整して適切に使用すれば大きな恩恵をもたらしますが、過度な使用は回避した方が良いとされています。癌は生物の進化に伴う突然変異と切り離せない出来事で或る意味では生物の宿命ともいえるものです。
 又癌は、発癌から癌死まで10年から15年の年月が必要とされる病気で通常癌の早期発見とは1センチ位の大きさで既に10億個の癌細胞が詰まっており、この大きさになると毎日100万個以上の癌細胞が血中に流出し、その1〜3%が血管に詰まったり組織に定着するものと考えられます。その後の推移は体力や免疫などに左右されますが、発見時既に転移している可能性を否定出来ません。これらを臨床的な癌又は見える癌と言います。発癌から癌死に至る期間を考えますと臨床的な癌、見える癌は癌の生涯の最後の4分の1の期間でその前の4分の3の期間が癌の潜伏期とも言うべきものです。
  王子病院の採血健診はその潜伏期で未だ症状もない見えない癌を3ミリ位の大きさで超早期に見つけようとするものです。腫瘍マーカーはその手段でこの値が数十パーセント増の場合は2〜5年の間で、数倍の値を示すときは既に癌か、1〜2年のうちに臨床的な癌となり色々な検査で見える癌となるのです。この間繰り返し検査を行って適切な時期に臨床医を受診し、部位を特定し、素早く手術を受けることが出来ます。

脳ドックについて  
従来の脳ドックの目的と異なり個人的にも社会的にも多くの負担を強いる認知症予防に関する検査で、世界で初めて客観的検証をへて、王子病院で開発された脳ドックであります。

そもそも健診というものは、
症状も自覚症状もなく健康を信じて生活している方々の中に隠れているリスクを発見し、大事に至らない様にするもので、既に何らかの症状や自覚症のある方のものでなくその様な方々は直ぐに病院を受診すべきと考えます。
 この健診は、その様な理念に基づいて結果的に治らない癌や病気を見つけるものでなく、 Curability(完治性)の高い状態で超早期で完治が期待出来る時点で病気を発見することを目的とする総ての方々のための健診です。
 今後も王子病院としては新しく開発される技術や遺伝子診断を導入し、この健診を磨き上げていく所存です。

一般に医学的な検査は、
  1. 現在健康かどうかを調べる「健康チェック検査」
  2. 病気の治療を行うための病気の「診断検査」
  3. 手術の方針や危険の防止のために病変の部位・大きさなどを調べる「術前検査」

などに分けられます。(1)の目的である健康管理・健康チェックの検査では人間ドックを重視している傾向が強い。しかしこの検査は、内視鏡・X線・CT・MRI検査など出来上がった病気を発見するための術前検査に類するような検査です。高額な機械を使うために、必然的に費用も高額であり、さらには多量の放射線の照射を受けるため頻繁には行えない検査です。

健診は刻一刻と変化するからだの状態の把握による健康尺度の測定で、健康を阻害しそうな要因を見出し・改善して病気にならないようにするものです(治療に結びつけるために行う標的疾患の発見が目的の検診とは違います)。 このためには安全・簡便・迅速・安価な検査で通年にわたって身体状況を把握・管理し、適切な指導がうけられる手段が求められます。

王子病院健診部の医療スタッフは長年にわたる経験から、全身の組織や臓器の状態をよく反映する血液に注目し、これで出来る2000ほどの検査項目から、厳選した40数種類に腫瘍マーカーなど新しい項目を加えた検査で生活習慣に関する全身的なチェックとマーカーの値の変動から癌発生の予兆を知ろうとする「採血健診」を10年ほど前から行ってきました。

コースは以下の4種類からなります。

  1. 生活習慣病型(比較的に若年者におすすめ)
  2. 腫瘍マーカーCEAとTPAを含んだ標準型(全年齢に対応)
  3. 人間ドック型((2) + ペプシノーゲンとピロリ菌検査からなる胃潰瘍、胃がんの母地となる萎縮性胃炎の有無の検査 + 心筋梗塞などの心筋の初期障害に有効な検査 + 男女別に特異は腫瘍に関するマーカーを含む7種類の腫瘍マーカーが含まれます)(壮年・高齢者対応)
  4. 肝炎、胃炎・胃潰瘍、アレルギー、動脈硬化、甲状腺機能検査、骨粗しょう症、臓器別腫瘍など20種ほどのオプション検査(希望者対応)

この健診は、通常の生活による健康のチェックですので、食事制限などは一切ありません。普段の生活での通年にわたる健康管理で食事や生活についての丁寧なアドバイスも含んでいます。また医師による結果(内容や精密検査の必要性など)についての電話相談や生活指導も行っております(無料)。さらにはPET検査の紹介も行っております。すなわち、血液のチェックにもとづく生活指導やさらなる精密検査を通しての病気の予防、あるいは必要であれば治療への誘導を目的にしたものです。

この健診は、問診と血圧・脈拍の測定および採血からなり、問診の内容や採血の難易にもよりますが、通常は5分ほどで終わります。

王子病院では年中無休・24時間対応で採血健診を実施しております。予約無しに、ご都合の良い時に受診いただけます。またご希望があれば当院の規定に従って訪問「採血健診」も実施しております。詳しくは当院健診部(電話03−3912−6688 直通)まで問い合わせ下さい。