鼠径ヘルニア(脱腸)について
(1)症状
下腹部足のつけね近くに生じるふくらみと痛みです。 男性の場合、陰嚢の付け根あたりがふくらみます。(2)病態
そけいヘルニアとは、『脱腸』と呼ばれる もので、字のごとく、腸が飛び出している状態です。
そけい管というトンネルがあり、これは、男性の場合、お腹の中にあった精巣が陰嚢内へ降りてくる通り道で、精索(精管、精巣動静脈等)が通っています。女性の場合は子宮円索という子宮を固定している靱帯が通っています。
そけいヘルニアとは、このトンネルが緩くなり、内蔵がこのトンネルを通って飛び出してきてしまった病気です。飛び出してくる臓器は、主に小腸です。
腹壁が弱くなって生じる問題で、癌のようにすぐに命に関わるご病気ではありませんが、飛び出した小腸が、元に戻らなくなり、血行が悪くなると、激しく痛くなります。これを嵌頓ヘルニアといい、時間が経過すると腸が腐り重篤な状態になってしまいます。
(3)治療法
治療は、緩くなってしまった部分を外科的に修復する以外に、ありません。いくつかの方法がありますが、
(1)ご自分の組織を縫い寄せる方法(バッシーニ法)
(2)人工物を使って修復する方法
の2種類あります。
現在Aが主流となっています。
当院では、(1)の一つであるメッシュプラグ法で行っております。
(4)治療法
バッシーニ法などの従来の手術法
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![]() バッシーニ法 ![]() ヘルニアが脱出した状態 |
メッシュプラグ法
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![]() メッシュプラグ法の概略図 脱出している内容を腹腔内へ押し戻し、そこへメッシュプラグを挿入し栓をする。さらにその上にメッシュシートを敷き補強します。 |
(5)手術並びに術後経過について
- 手術時間は1時間程度です。麻酔は、硬膜外麻酔で行っております。
- 術後当日は、ベット上で安静にして頂きます。翌朝には制限が無くなり、食事も再開致します。特に入院日数を決めていませんが、翌日から7日目と、ご希望にあわせて入院していただいております。
- 術後、約1週間で抜糸します。
(6)合併症について
- しっかり止血したにも関わらず、血腫を形成することがあります。
通常、自然に吸収されるのを待つことになります。 - 消毒や、抗生物質を適宜使用していますが、それでも術後に感染を起こすことがあります。異物(メッシュ)に対する拒絶反応が生じることもあります。
- 麻酔は麻酔科が施行致します。非常にまれではありますが麻酔に際して使用する薬剤に対してアレルギー反応等を生じる場合があります。
- その他予期せぬ心筋梗塞、脳梗塞、肺梗塞など、本疾患と関連がない病気が起きうる可能性もあります。



