診断が虫垂炎と確定した場合、基本的には開腹手術によって虫垂を切除して治療します。
軽症の場合や憩室炎など、他の疾患が考えられる場合には、絶食、補液、抗生物質投与で保存的に治療する場合もありますが、再燃する可能性があります。
いずれにしても、原則的に入院治療です。
治療法の選択は、腹痛の所見、血液検査本人の意志によって異なります。
手術をして、はじめて、虫垂炎でないことが、わかる場合もあります。
通常交叉切開法で行いますが、病状によって決めます。
腹腔内の炎症が強く、膿が広がっている場合は、その膿を体外へ誘導するための管(ドレーン)を留置します。 病状によっては小腸の終わり、大腸の始まりの部位を一緒に切除しなければならない事があります。(膿瘍を形成している場合、重症な憩室炎の場合など)
虫垂炎は、一般的に考えられているより実は、合併症の多い病気です。
術中に出血が問題となることはまれです。しかし、術後に出血が起こり、出血斑・血腫を形成することがあります。たいていの場合は自然に止血し、吸収されるのを待つことになります。しかし、出血が止まらない、血腫が大きくなり創傷治癒に影響を及ぼすと判断された場合は、再度外科的な処置が必要となることがあります。
手術前後は感染(うんでしまうこと)を起こさないように消毒や、抗生物質を適宜使用していますが、それでも術後に感染を起こすことがあります。感染によって創傷治癒が妨げられていると判断された場合は、抗生物質の投与に加えて、創部を開放し排膿処置を行うことがあります。
通常、虫垂炎の手術は脊椎麻酔といいわゆる下半身麻酔で行いますが、全身状態や、虫垂炎の状態に応じて全身麻酔で行う場合もあります。麻酔に際して、使用する様々な薬剤にアレルギー反応を示したり、麻酔による全身状態の変化が強く表れた時に、まれにショックと呼ばれる症状が出現することがあります。ショックの程度は様々ですが、命に関わる重大な症状が出現する可能性もあります。しかし、その頻度は低く、脊椎麻酔の場合は3万人(3万回の脊椎麻酔につき)に一人程度といわれています。また、ショック症状を起こすかどうかを術前に判断することは非常に困難で、麻酔を行ってみないとわからないことがほとんどです。
心筋梗塞、脳梗塞、肺梗塞等、本来の病気と関連がない病気が起きうる可能性もあります。
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